私は、何もあきらめない
新世代のトランスジェンダーのアイコンとして注目されるサリー楓が、女性として踏み出した瞬間を追ったドキュメンタリー。慶應義塾大学で建築を学び、大手建設会社に内定して、幼い頃から夢だった建築家としての未来に向けて歩み始めた楓。しかし、男性として生きることに違和感を持ち続けていたことから、就職を目前に、これから始まる長い社会人生活を女性として生きていくことを決意する。女性としての実力を試そうとビューティーコンテストへ出場し、LGBT就職支援活動や講演活動などにも参加する楓だったが、それらの活動を通して、世間のトランスジェンダーに対するステレオタイプや既成概念に疑問を抱き、新しいリアルな一個人としてのトランスジェンダー女性像の打ち出そうとする。一方、楓の心には父親の期待に応えられなかった息子としてのセルフイメージが残っていた。新しい自分、本当の自分として世に出た時、家族はそれをどう受け止めるのか。カメラは楓と家族の対話にも同行していく。監督は三宅洋平の選挙活動を追った「選挙フェス!」の杉岡太樹。
©2021「息子のままで、女子になる」