フェミニスト・クィア映画月間 in 京都:バーバラ・ハマー
Feminist & Queer Film Month 2021 in Kyoto: Remembering Barbara Hammer
▮ベント・タイム Bent Time
アメリカ/1984年/22分
監督・撮影・編集:バーバラ・ハマー
音楽:ポーリン・オリヴェロス
光線は宇宙の端で折り曲がり、時間も同様に折り曲がると提唱した科学者の発言に触発されて制作された作品。電子音楽家、ポーリン・オリヴェロスの瞑想的なオリジナルスコアと共に、9mmの広角レンズを使用して撮影されたニューメキシコ州のチャコ文化国立歴史公園やニューヨークの街並みの風景は、時間が歪曲されたような感覚をもたらす。
ⒸCourtesy Electronic Arts Intermix (EAI), New York
▮ヴェヴェ(バーバラのために) Vever (for Barbara)
アメリカ/2019/英語/カラー/デジタル/12分
監督・編集・音響:デボラ・ストラトマン
撮影・声:バーバラ・ハマー
テキスト・現地録音:マヤ・デレン 図形:伊藤貞司
音楽:キャサリーナ・ボーンフェルド、伊藤貞司、ジョージ・ハーダウ
提供:Pythagoras Film
マヤ・デレンとバーバラ・ハマーによるそれぞれの未完のプロジェクトを出発点に制作された作品。1975年にグアテマラをオートバイで旅したハマーの映像と1950年代にデレンが出会ったハイチでの儀式や自身の失敗の経験についての話が繋がれる。世代の異なる3名の映像作家が、自身もその一部となっている権力構造に代わる可能性を探る。
▮すべてを実行するには不可能なたくさんのアイデア
So Many Ideas Impossible To Do All
アメリカ/2019年/カラー/デジタル/11分
監督・編集::マーク・ストリート
ジェーン・ウォデニング(ブラッケージ)とバーバラ・ハマーの1973年から85年までの文通の記録から作品を制作しようと模索していたハマーが、2018年に映像作家マーク・ストリートにその全ての素材と『ジェーン・ブラッケージ』(1974)のフッテージを引き継ぎ、制作された作品。ウォデニングとハマーの遠距離を結ぶ複雑な友情を描く。
▮シングルフレームの1ヶ月(バーバラ・ハマーのために)
A Month of Single Frames (for Barbara Hammer)
アメリカ/2019年/英語/カラー/デジタル/14分
監督:リン・サックス、バーバラ・ハマー 撮影:バーバラ・ハマー
編集・テキスト(オンスクリーン):リン・サックス
第66回オーバーハウゼン短編映画祭グランプリ受賞
1998年にバーバラ・ハマーは、アメリカ・マサチューセッツ州ケープコッドの電気も水道も通っていない海辺の小屋に滞在しながら、周りに広がる様々な音や風景を記録し、日記をつけていた。本作は、その際に生まれた全ての記録を映像作家のリン・サックスに委ね、自身の死と向き合う一つの過程として制作された。静かにざわめく自然の色と音を観察する眼差しと共に、孤独や加齢についての思索が浮かび上がる。
[企画協力]subversive records