春、桜が咲くパリ郊外の別荘で。
夏、ブルターニュのリゾート地で。
秋、ローヌ渓谷のワイン畑で。
冬、寒々としたパリの街で。
エリック・ロメールが贈る、四つの小さな恋物語。
春のソナタ Conte de printemps
《四季の物語》第1弾/1989年/107分/カラー
出演:アンヌ・テセードル、ユーグ・ケステル、フロランス・ダレル
哲学教師ジャンヌは、旅行中の恋人の家の汚さに耐えきれず自分のアパートへと逃げ帰るが、そこはいとこが占領中。居場所のないジャンヌは、パーティーで知り合った18歳のナターシャの家に泊まることに。そこにナターシャの父イゴールと若い恋人が加わり、パリの家とフォンテーヌブローの別荘で、女たちの奇妙な諍いが始まる。美しい春の庭でくり広げられる、三人の女と一人の男の恋愛ゲーム。
©1989 Les Films du losange
夏物語 Conte d’été
《四季の物語》第3弾/1996年/114分/カラー
出演:メルヴィル・プポー、アマンダ・ラングレ
ヴァカンスを恋人のレナと過ごすため、リゾート地ディナールへやってきた大学生ガスパール。クレープ屋で働くマルゴと親しくなるが、パーティーで知り合ったソレーヌとも急接近。そんななか待ち望んだレナとも再会し…。四季シリーズで唯一男が主人公となった本作は、マルゴ役のアマンダ・ラングレの存在もあり『海辺のポーリーヌ』とのセットで語られることも多い。ロメール最後の夏休み映画。
©1996 Les Films du losange
恋の秋 Conte d’automne
《四季の物語》第4弾/1997年/112分/カラー
出演:マリー・リヴィエール、ベアトリス・ロマン
親友同士のイザベルとマガリ。娘の結婚の準備をするイザベルは、夫の死後独身のままでいるマガリを心配するが、ワイン畑を営む彼女にその気はない。一計を案じたイザベルはマガリのふりをして婚活を始めるが、事態はおかしな方向へ。40代女性の恋と友情を描いた作品だが、対照的な二人の関係や、ペアの相手が微妙に入れ替わる様など、『友だちの恋人』との対応関係もおもしろい。
©1997 Les Films du losange
冬物語 Conte d’hiver
《四季の物語》第2弾/1991年/114分/カラー
出演:シャルロット・ヴェリ、フレデリック・ヴァン・デン・ドリーシュ
フェリシーは旅先で知り合ったシャルルと運命的な恋に落ちるが、旅から戻った後、彼に教えた自宅の住所の間違いに気づく。5年後、一人で娘を育てるフェリシーは、インテリのロイックと既婚者のマクサンスの間で揺れ動くが、心は今もシャルルのもとにある。運命に弄ばれながら本物の愛を探し求める女の信念と、やがて訪れる奇跡。タイトルはシェイクスピアの悲喜劇『冬物語』より採られた。
©1991 Les Films du losange