【舞台挨拶】
11/20㊐ 登壇者:石原海監督、荒井優作さん(音楽家)
11/22㊋ 登壇者:石原海監督、奥田知志さん(牧師)
※招待券・ポイント鑑賞不可
困窮者支援をしているNPO法人抱樸の奥田知志が牧師を務める福岡県北九州にあるキリスト教会には、様々なバックグラウンドの人々が集まっている。本作では、元ホームレスの人たちや、極道だった人、虐待を受けていた人、生きる意味に悩む人、NPOで働く人、教会で働く夫婦などを含む9人の教会に集う人々を描いた。
『重力の光:祈りの記録篇』は、傷ついた愛すべき罪人である9人が演じる、イエス・キリストの十字架と復活を描いた受難劇と、その練習風景や日常、インタビューなどを交差させた挑戦的なドキュメンタリー映画である。
(C)2022 Gravity and Radiance
いきなり北九州に住むと決めたとき、アタシは途方に暮れていた。 数年前に友人に連れられて、教会で過ごした日々の記憶だけを頼りに、地元でもない土地に戻ってきたのは、無意識に祈りを求めていたからなのかもしれない。
改めてこの土地に住んで、教会に通うようになって、お金をたくさん稼がなくても、美しくなくても、大酒飲みでも、そんなありのままの自分の存在を許されていると感じるようになった。カメラを持っていないのに、その場にいても居心地が悪くないと感じることができる場所は初めてだった。しばらく経って教会の人たちと過ごしているうちに、今度はここにいるみんなと一緒に作品を作りたいと思う気持ちが芽生えてきた。教会に集う、傷ついた愛すべき罪人たちの人生、星の輝きを宿した無名の人々を記録したいと思ったのだ。誰からも必要とされていないという感覚、いつまで経っても何者でもないという感覚が根付いてる自分にとって、この愛すべき場所と人々を記録することが、 自分の人生にとってすごく重要なことに思えたから。
ギリギリに張り詰めた中で、どうにか崩れ落ちないように踏ん張っている人に、この映画の光が届いて、重力から解放される瞬間が訪れますように。
石原海