いつか土に還る
互いに寄り添い、大地に寄り添い、生きる。ベルリン国際映画祭で絶賛、中国で<奇跡>の大ヒットを記録した、永遠の愛についての物語。
2011年、中国西北地方の農村。貧しい農民ヨウティエ(ウー・レンリン)と障がいのある内気なクイイン(ハイ・チン)。互いに家族の厄介者だったふたりは、見合い結婚。やがて、互いを慈しみ、力を合わせ、作物を育て、質素な家を作り、慎ましくも日々を生きるのだが、自然の猛威や変わりゆく時代の波にさらされる……。ベルリン国際映画祭の星取りでは驚異の4.7点(5点が満点)をマークし、金熊賞最有力と絶賛されるも無冠。しかし、中国で公開されると、レビューサイトでも本年度中国映画ベスト1の評価を得てじわじわ広がり、公開後2ヶ月経ってからTikTokが火付け役となり、若い世代を中心に興行収入トップに躍り出る大ヒットを記録。<奇跡の映画>とまで呼ばれたのが、本作『小さき麦の花』である。
2011年、中国西北地方の農村。
貧しい農民ヨウティエ(有鉄)は、マー(馬)家の四男。
両親とふたりの兄は他界し、今は三男・ヨウトン(有銅)の家に暮らしているが、息子の結婚を心配するヨウトン夫婦にとって、ヨウティエは家族の厄介者。
一方、内気で体に障がいがあるクイイン(貴英)もまた厄介者だった。
互いに家族から厄介払いされるかのように、ふたりは見合い結婚、夫婦になった。
ぎこちなく、それでも互いを思いやり、作物を育て、日々を重ねていくふたり。
ヨウティエのことをいつも気にかけるクイイン。そんな彼女の気持ちに愛おしさを覚えるヨウティエ。
ある日、家を建てるためにヨウティエが作ったたくさんの日干しレンガが突然の大雨に襲われる。
そんな不運さえもふたりには大切な日々となる。
クイインは初めて会ったその日からヨウティエの優しさに気付いていたと話す。
ロバと、ヨウティエと、クイインと。
力を合わせ、毎日懸命に働き、ついに自分の家をもった。
だが、その幸福は長くは続かなかった——。
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