【上映作品】
▮13:30-
Echoes of Silence 沈黙のこだま
1964年/アメリカ/74分
NYをさまよう20代の若者たちを記録した、ニュー・アメリカン・シネマの記念碑的作品。街をぶらつく若者たちのやりきれなさや衝動を、手書きのインサートタイトルとさまざまなレコードに乗せて描き出す。
▮15:00- ※上映後トーク有
Wheel of Ashes 灰の車輪
1968年/フランス/95分
混沌とした世俗的な欲望と、心の平穏を神に求めるはざまで苦悩する青年の姿を描く。愛や真理を求めて68年のパリを彷徨う主人公をピエール・クレマンティが演じた。
―ソロユニット Hair Stylisticsとして活動するミュージシャン。小説家・映画評論家・画家など活動は多岐にわたる。
ゴールドマンは近年で最もエキサイティングな新人映画作家だ。
この処女作は驚くほど素晴らしい作品である。
ースーザン・ソンタグ
アンダーグラウンド映画とゴダール映画の長所をもって、友人たちの生活や感覚をシンプルな物語として紡いだ。……『Echoes of Silence』は非常に美しいテーマと形式をそなえた映画だ。
ージョナス・メカス
我々が敬愛するアメリカ映画作家は皆早熟だった。ホークスのキャリアもゴールドマンと同じ年頃に始まった。ゴールドマンは、すべて1人でやってのけた…偉大なアメリカ映画作家は増えてゆくだろう。すでにゴールドマンにクラーク、カサヴェテスがいるのだ。
ージャン=リュック・ゴダール
【ピーター・エマニュエル・ゴールドマン】
1939年NY生まれ。1964年にアメリカで処女作『Echoes of Silence』を監督し、イタリア・ペサロ映画祭で特別監督賞を受賞。メカスやソンタグらより国内で高く評価されただけでなく、ビエットやゴダールらフランスの映画人たちからも絶賛された。
65年に短編『Pestilent City』を監督。66年にパリに渡り、『Wheel of Ashes』(1968)を制作。だが、その後ゴールドマンは映画製作から離れ、ユダヤ人としてのアイデンティティに傾倒してゆく。
60年代に前衛映画作家として世界各国の映画祭で賞賛を浴びながら、NYとパリで撮られた2本の強烈な作品を残して映画界から離れていった、稀代な監督である。
主催:Pigeon Films